こんにちは、とまとです。
不登校だけど校外学習には行かせてあげたい。
運動会だけ参加すると言ったら周りの友達は迷惑?
せめて行事だけでも参加してほしい。
今回は、不登校のお子さんが行事に参加する際に気を付けておくべきことについて解説していきます。
学生時代の行事関係は思い出作りには最適な場ですよね。
せっかくの学校行事なので思い出を作らせてあげたいと思うのは親であれば当然のことと思います。
しかし、不登校のお子さんを持つ親御さんにとって、運動会や校外学習などの行事については
頭を悩ませるものかもしれません。
インターネットで検索してもわかる通り、イベントだけ参加する場合には「迷惑だ」等否定的な意見が多いことも事実です。
対応に注意しなければ、不登校が悪化してしまう原因にもなりかねません。
この記事では、
- 不登校でもイベントだけ参加させていいのか
- イベントに参加する場合の注意事項
- 参加させた場合に親として対処すべきこと
について解説していきます。
行事に参加させるときは特に注意する必要がありますが、本人が行きたいと言った場合に
シミュレーションしておけば参加することによって不登校が悪化することを未然に防ぐことができます。
一番大切にしなければならないのはお子さんの気持ちです。
傷ついたときに守ってあげられるのは親御さんだけですので、しっかり確認していきましょう。
不登校だけどイベントだけ参加させてもいいの?
学生時代の経験は特別なものです。
特に運動会などのイベントは思い出に残りやすいですよね。
不登校になると、学校での思い出が少なくなってしまい、お子さんに思い出を残してあげたいと思うのは親心として当然のことです。
不登校だけどイベントに参加してもよいかどうかについては悩むところでしょう。
行事だけ参加することに否定的な意見は多い
不登校なのに行事に参加するのは
周りの目も気になってしまいます…。
行事だけ参加することに否定的な意見が多いことは事実です。
- 不登校なのに行事だけ参加するのはずるい
- 運動会だけ出ようとするなんて迷惑
- 嫌なことは休んで楽しいことや好きな授業だけ参加するなんてただの甘えなんじゃないの
といった心を痛めるような意見がネット上には多数ありますし、そのように思っている人は少なからずいます。
なぜ否定的な意見が多いのかというと、不登校に対する認識が定着していないからです。
たとえば、病気で寝ている人に対して「いつも寝ていられてずるい。」と言うでしょうか?
病人に対しては【本人が一番苦しんでいるんだ】という状態が容易に想像できますよね。
「ずるい」という言葉を病人に対して投げかけることはほとんどないでしょう。
しかし、不登校に関しては本人が苦しんでいる状況をあまり意識する機会がないため、理解が定着していません。
不登校の子は好きで休んでいるのではないかという意識が根底にあるため、
- 学校休めてうらやましい
- 授業を受けないで楽しいイベントだけきてずるい
といった言葉が出てきてしまうのです。
一般的に、行事だけ出ることに対する否定的な意見は実際にはあるのだ、ということは自覚しておく必要があります。
行事を控えているときの子供の心理状態
不登校の状態での学校行事に関しては、参加できるかどうかは別としてお子さんも気にはしているはずです。
行事だけは行けるというお子さんも中にはいらっしゃいますが、大抵の場合は
「楽しそうだから修学旅行だけ行きたい」「運動会だけ出たい」とお子さんの方から望むことはほとんどありません。
先生や友達から出席してみないか参加に誘われるか、親御さんから行事だけでも参加してみたらどう?
と促されるパターンが多く見られます。
本人の心理としては
普段学校に行けていないのに、行事だけ参加したら迷惑なんじゃないか
イベントの時だけ参加したら嫌がらせを受けてしまうのではないか
と思っている場合が多いです。
不登校だから学校で楽しいことをしてはいけないのではないかという心理が働いてしまうのです。
行事に参加する場合の3ステップ
行事に参加する場合の3ステップを紹介します。
不登校だけどイベントには参加する場合、否定的な意見も一定数あり、
お子さん自身も行事への参加をためらう傾向が高いです。
その上で行事への参加をしていく場合には段階を踏む必要があります。
STEP1 参加するかどうかを決めるのはあくまでも子供自身
無理に参加した時に傷つくのは誰でもない、お子さんです。
もし、親や先生が「きっと楽しいから行事だけでも参加してみなよ」と言った場合お子さんはどのように思うでしょうか?
NG会話例
親 : せっかくの校外学習だし、参加してみたら?
子 : (…あまり行きたくないな。)でも学校行ってないし楽しめないと思うよ。
親 : そんなこと言わないで。思い出も作れるし、校外学習だけでも行ってくれたら嬉しいな。
子 : お母さんが喜んでくれるなら行ってみようかな…。(あんまり行きたくないけど)
これは、親御さん自身がお子さんに行事への参加を望んでいるような声掛けになっています。
万が一、簡単な気持ちで行事への参加を促しているのであれば、それはもうやめましょう。
お子さんにとってイベントへの参加は思っている以上にハードルが高いものです。
だからこそ、お子さん自身で参加するか否かを決める必要があります。
本心では行くことを決意できていないのに、親御さんから「行ってほしい」という思いを受け取ってしまうと、
「お母さんが望むなら…」と無理をしてしまう可能性が出てきてしまいます。
無理をすると、結局行けなかったときに「親が無理やり行けって言ったからだ!」と他人のせいにしてしまうものです。
このような事態を防ぐためにも、イベントへの参加自体はお子さん自身が決めていく必要があります。
行かないという結論を出したとしても、自分で出した答えであれば納得するものです。
参加するかどうかについては、お子さん自身に決めさせましょう。
STEP2 参加してみたいという場合は親子でしっかり方針を話し合う
運動会や修学旅行などのイベントは、準備も含めて楽しい思い出作りの場です。
何の準備もせずにいきなり参加してしまったら、他のお子さんたちはどんな気持ちになるでしょうか?
部活で普段の練習を全くしていなかった子が試合に出るような場合を想像してみてください。
一生懸命練習してきた子たちと同等に練習をしていない子が試合に出てしまったら、練習してきている子たちはやはり面白くないと感じてしまいます。
行事の参加だけを目的にしてしまうと、準備をしていなかったことで結果的にお子さんを傷つける可能性が高くなります。
前提として、イベントに参加する場合には準備をしておかないと周りに迷惑をかけてしまうことは
しっかりお子さんに伝えておく必要があります。
お子さんが参加することを決めたのであれば、その行事に対してどの程度の準備ができるのかを確認しておきましょう。
イベント参加の際に確認しておくべきチェックポイント
- 運動会や音楽祭など練習を必要とする行事の場合見学するのか実際に参加するのか
- 修学旅行など下準備はどのような形で参加していくのか
どこまで準備できるのかを家族で話しておく必要があります。
ひとつ注意しておきたいのは、せっかくお子さんが行ってみようという気持ちになっているのに
準備が必要だとわかると構えてしまって参加を躊躇する可能性もありますので
- 無理をする必要はないこと
- 見学や準備だけ参加したいのであればそれでも構わないこと
などについても安心できるようにお子さんに話しておきましょう。
STEP3 学校としっかり連絡を取り合う
家庭としての意見がまとまった段階で、学校との調整を図る必要があります。
イベントをきっかけに不登校が改善するのではないかという思いから学校の先生も参加を促すことがあります。
練習にも出てみたいとお子さんが望んでいるのであれば、どのような形で練習に参加できるかも踏まえて
学校側と調整していきましょう。
家庭で行事に参加することを決めたとしても、学校側にもしっかり受け入れの体制を取ってもらえなければ
参加へのハードルは一気に上がります。
めんどくさい親だと思われないかしら?
確かに、学校側としても行事の準備もあるので生徒一人一人に関わるのも大変だとは思います。
しかし、大切なお子さんが「行事に参加してみたい」と前向きな気持ちになっているのです。
学校側ときちんと話し合っていなければ、クラスメイトから心無い言葉を投げかけられる可能性もあります。
お子さんが行事に参加してみたいという気持ちを持っている以上、学校側にお子さんを受け入れられる体制を取ってもらうよう環境を整えてもらう必要があります。
それは、一番の味方である親御さんがしっかり前面に立たなければならないことです。
- 学校で話し合ったことを伝えてもらう
- 練習しなくてもできる部分だけ参加することは可能か
- 保健室等の別室で準備に参加することは可能なのかどうか
などについて先生としっかりと確認しておきましょう。
学校との連携についてはイベントに限らずとても重要です。
こちらの記事に詳しく対処法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▼ 併せて読みたい ▼
不登校への学校の対応に不満なときどうする?学校側の対応や学校とのやりとりを解説
ー 不登校の時の学校側との連携方法について詳しく解説している記事です。
行事に参加させるときに親がすべきこと
お子さんが行事へ参加することを決めた場合には親としてフォロー体制を取っておく必要があります。
準備の段階、当日いけなかった場合、行った後の最初方法について解説していきます。
準備段階での注意事項
参加するという決断は、お子さんにとってはかなりの勇気を必要とする行動です。
その一方で、周りとの兼ね合いもあるため、ある程度の準備は必要になってきます。
準備の段階でお子さん自身が出席が難しいという判断をしたのであれば、
無理をする必要はないことを伝えてあげてください。
行事に参加しようとしている段階では気持ちが高ぶっていて自分が無理をしていることに気付かない可能性があります。
親御さんがしっかりお子さんの様子を見てあげる必要があります。
また、お子さん自身も「参加したい」と言ってしまった以上、
やっぱり行けない、行くのが怖いと言ってはいけない
怖くなっても後戻りできないのではないか
と思っている場合もあります。
行事参加前に少しでも無理をしているような状況が見られた場合は、無理しなくていいんだと安心させてあげましょう。
行けなかった場合の対応
当然、直前になって怖くなってしまうこともあります。
当日になって行けなかった場合はどうしたらいいのかしら。
当日の対応例についても考えておく必要があります。
NG声掛け例
- 一度行くって言ったんだから頑張って行ってみたら?
- せっかく準備してきたんだから行ってみなよ
- 準備はできたんだから行ってみたら楽しくなるよ
このような声掛けは、お子さんを追い詰めてしまいます。
例えば、仕事に行く前にお腹が痛くなってしまった時に「大丈夫だよ。仕事行ってみたら治るかもしれないよ。」
と言われても、「今お腹痛いんだから動けないよ!」となりますよね。
それと同じで、行けなくなってしまったものは仕方ありません。
準備してイベントに行こうとするまでにエネルギーを使い果たしてしまったのです。
お子さんは頭の中で「行かなきゃ。行った方がいい。」と思っていても
行かなきゃ行かなきゃ → でも結局行けない → 行けなくてごめんなさい
と考えてしまいます。
自分でも参加できるかもしれないと自分自身に期待していたのに、結局行けないと「やっぱり自分はダメなんだ。」
と自信を喪失してしまいます。
万が一行けなかった場合には
- 無理をする必要はないこと
- 行ってみようかと思えただけでも前進していること
- 休んだって構わないこと
- 今までよく頑張ってきた
ということをしっかりと伝えてあげましょう。
行けなくなってがっかりしているのはお子さん自身です。
不登校はいきなり治るものではなく、色々な段階を踏みながら徐々に改善していくものです。
回復期には、一進一退を繰り返しながら改善していくことが特徴としてよく見られます。
こちらの記事も参考にしてみてください。
▼ 併せて読みたい ▼
長引く不登校から動き出す時期は?学校に行くきっかけ、不登校回復期に気をつけること
ー 良くなったり戻ったりを繰り返しながら動く回復期についての記事です。
イベントに参加した後の注意事項
行事に参加できたなら授業も出られるようになるのではないかしら?
イベントに参加できるとつい授業も…と思ってしまいがちですが、
過度な期待はしてはいけません。
行事に参加できるなら授業にも参加できるのではないか?とつい考えてしまいますよね。
確かに普通に考えればハードルの高い行事に参加できたのであれば、授業に出られるのも時間の問題なのではないかと思ってしまいがちです。
けれども、実は行事に参加したからといって不登校が治るわけではないんです。
不登校が改善するきっかけになることもありますが、期待に変わってしまうとお子さんにとってはプレッシャーになってしまいます。
イベント参加後のポイント
- まずゆっくり休ませる
- 本人が決断をして実際に行動に移せたことを前進ととらえる
- 次は授業に出てほしいというプレッシャーを与えない
イベントは楽しかったとしても、しばらく離れていた場所に行くことで相当のエネルギーを消費しています。
しっかりと休ませてあげましょう。
こちらから「次は授業も出られるんじゃないの?」という声掛けをする必要はありません。
短期間であっても、参加したという事実がプラスに働く可能性はあるため、
エネルギーが溜まってくれば自然と次の段階へ進もうとするはずです。
行事に参加した後は次のことは考えずに、しっかり休んでエネルギーを蓄えることを優先させましょう。
不登校なのにイベントだけ参加させてもいい?行事だけ参加するときに気を付けること まとめ
今回は不登校の場合に行事だけ参加していいのかどうか、参加する場合の対処法について解説してきました。
不登校の子がイベントだけ参加する場合の周りからの意見、行事に参加する場合の3ステップ、
親として対応すべきことについて触れてきました。
この記事のまとめ
- 「運動会に参加することは迷惑」など否定的な意見は多い
- 校外学習など行事に参加するかどうか決めるのは子供自身
- 参加する場合は家庭の方針を決めておき学校と連携する
- イベントに参加できなかった場合や参加後の様子にも気を付けること
運動会や校外学習に来るのは迷惑だ、行事だけ参加するなんてずるい、などとする心無い意見があるのも事実です。
イベントに参加するかどうかを決めるのはお子さん自身です。
お子さんが参加したいという場合には、前向きに行動しようとしている証拠です。
親御さんは学校と連携してお子さんが参加できるような環境を整えていく必要があります。
結果として行事に参加できなかったとしても、お子さん自身が決めたことですので何かしら学ぶもことはあるはずです。
不登校が改善するきっかけになることもありますが、過度な期待はよせずに
まずはお子さんが勇気を出して参加しようとしたことに対して前向きにとらえていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
褒める、見守る、自信をつけるなどの小手先のノウハウから抜け出し、
親子ともに本音を言い合えるようになる
↓
お子さんの不登校が改善する
という流れが一撃で理解できるようになります。
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