不登校の子が教室復帰するための手段としてよく聞く『別室登校』。
不登校の子が学校に行ける手助けにもなっていると聞くけど、どんな過ごし方をしているんだろう?
保健室登校などともいわれるけどそのルールやあるあるは?
本当に教室復帰できるようになるの?
こんにちは、とまとです。
学校には行けるけど、教室復帰はしたくない、というお子さんが利用することができるの『別室登校』。
保健室で過ごす『保健室登校』などもその一つですよね。
別室登校でも先生がきちんと授業をしているのかしら?
別室登校の子はどんな過ごし方をしているの?
そうですね。保健室登校のルールや、別室登校でのあるあるなど、わからに事は多いですね。
この記事では、そんな別室登校の実態を解説します。
別室登校は、不登校のサポートになると聞くけど実際はどうなのか?
- 教室復帰したくない子の支援は?
- どんな過ごし方をしているの?
- ルールやあるあるを知りたい!
そんな疑問にお答えします。
別室登校って何をするの?
保健室登校や、別室登校ってよく聞くけど、いったい何をして過ごしているのか?
普通教室と同じように授業がすすめられているのか?
この章では、別室登校の日常に触れていきます。
別室登校・保健室登校とは?
そもそも、別室登校ってそもそも何なのか?
どこで過ごしているのか?
通常登校の子とは別の教室ってことですよね?
そうですね。登校時間や授業時間をずらしていることも多いです。
使う教室は—
- 保健室
- 図書室
- カウンセリングルーム
- 空き教室
などの、利用していない教室が多いです。
最近では、別室登校専用の教室を設けている学校もう増えています。
ちなみに学校外の施設ですが、『適応障害指導室』というところもあります。
公的機関ですがいわゆるフリースクールのような役割を果たしています。
学校とは別の施設なので、別室登校も難しいお子さんの『出席』の場所になっています。
登校時間も少し遅かったり、早く帰ったりするお子さんもいます。
お子さんのリズムには合わせますが、基本的には9時半ぐらいから授業を始めるところが多いです。学校に登校しているという規則正しい生活になれることも別室登校の大切なポイントです。
どんな子が別室登校を利用しているの?
学校には行きたいけど、教室で授業を受けるのは無理、と言う子が別室登校を利用しています。
別室登校には、ざっくり分けて二つの役割があります。
- 不登校のお子さんが教室復帰するためのサポート
- お子さんが不登校にならないための教室からの一時避難
不登校のサポート的な役割なのね。
まぁ、ざっくり言えばそういうことです。
具体的には—
- 同級生とのコミュニケーションが苦手
- 大人数の中で過ごすことが苦手
- いじめやからかいなどで教室にいけない
- 苦手な同級生や先生に会いたくない
と言ったような理由から、教室にいけないお子さんが別室登校をしています。
また、学校はあまり行きたくないけど、家にいると家族にいろいろ言われるから仕方なく登校している、というお子さんもいます。
不登校からの回復支援のために別室登校をしているパターンがほとんどですが、中には一時避難的に別室や保健室を利用していることもあります。
例えば、
- クラスの話し合いなどで言い争いになったことがトラウマになってしまった
- パニック症候群のような症状が起きてしまうことがある
- 教室で授業を受けたくない理由をしっかり言わないけど、勉強はしたい子
など、不登校ではないけれど、特別にサポートが必要又は、サポートがあれば学校で過ごせるお子さんも、別室登校を利用しています。
不登校から別室登校になった時の過ごし方
別室登校や保健室登校は、いったいどんなタイムスケジュールで過ごしているのでしょうか?
登校から、日常の様子までをご紹介します。
別室登校の登下校
別室登校のお子さんは、基本的に行き渋りや不登校からの回復期であることが多いです。
普通登校の子たちと一緒に登校することがストレスになったり、不登校の原因になっていることがほとんどなので、登校時間はずらしているパターンが多いです。
例えば、
- 普通登校の子より30分ほど遅れて登校
- 朝のお子さんの体調に合わせて登校
- 担任の空き時間や空いている先生がいる時間に登校
最近は、別室登校のクラスの専任の先生がいる学校が多いですね。
下校に関しても比較的自由で、『給食を食べないで帰る』『給食を別室登校の子たちと食べて帰る』など、様々です。
別室登校のお子さんに関しては、『お子さんの気持ちと相談』して学校に居心地のいい場所を作っていくことをぽいんとにしています。
人と一緒に食事をするのが無理だと思う子もいるので、下校の基準を給食の後と前で分けているんです。
別室登校では何をして過ごしているの?
教室で授業を受けられないだけで、勉強はしたい子や、気持ちや心に悩みを抱えてる子まで様々なお子さんが利用している別室登校。
普通登校の子と同じように時間割で授業をしているのかしら?
そうですね。学習の時間ももちろん設けていますが、普通登校の子とは違う過ごし方もしています。
不登校にならないために、または不登校から復活するための支援を主な目的としているので、
- 支援員や教師によるカウンセリング
- 別室登校児同士の交流
- 掃除
- 体を動かすレクレーション
と言ったようなことを主にしています。
テストも普通に行って、普通登校できるようになった時にクラスの進捗状況について行けるようにしています。
せっかく、教室に戻れても勉強についていけないと、また逆戻りになってしまいますからね。
課題や提出物も普通登校の子と同じように出されます。
保健室登校のルールはある?
別室登校の中でも、保健室登校は少し閉鎖的というか、過ごし方も独特です。
中には、気持ちだけでなく体調にも影響してしまって保健室登校している子もいます。
『これをしなければいけない』という明確なルールはありませんが、保健室登校では
- 数時間保健室で過ごす
- 給食だけ食べて帰る
- 数時間先生の手伝いをして帰る
- 先生と話をする
と言ったように過ごすお子さんが多いです。
保健室は本来『けがや病気の生徒を受け入れる』という役目があるので、それほど長時間利用できるわけでもないので、あくまでも教室復帰のステップの一つとして考えられています。
ですので、
- 学校に登校すること
- 支援員と話をする
- 先生と話をすること
- 仲のいい友達と給食を一緒に食べる事
というふうに、少しづづ段階を踏んで次のステップに勧めるよう支援することがほとんどです。
保健室登校も出席扱いになりますが、進学など学習面において、それが良いのかと言われたら賛否あるのも事実です。
しかし、精神的に切れてしまっているお子さんにとっては、必要な『居場所』であることも事実です。
保健室登校は、心のエネルギーをチャージするための一時避難であるといえるでしょう。
『よく頑張ってるね』などの声かけはよいですが、『ここまで頑張れたから、これも頑張れるよ』とか『次はこれ頑張ろう』などという励ましは、逆効果になる可能性が高いです。
声かけをするなら、『どれならできそう?』というような、お子さんの気持ちを聞き出すもののほうが、有効です。
別室登校でもそうですが、不登校の子に対する声がけは難しいですよね?
そこで、不登校の子にベストな声かけを解説した記事をご紹介します。
お子さんの立場から見る『声かけ』の答えがここにあります。
言われてうれしい言葉、うれしくない言葉について学べるので目を通してみてください。
不登校の子が言われて心に響く言葉とは?声のかけ方やメッセージの選び方
別室登校の『あるある』
別室登校や、保健室登校での過ごし方はだいたい分かったけど、別室登校ではどんなことができるのか?
どんなメリットやデメリットがあるのかなど、まだまだ分からないことが多いですよね?
この章ではそんな、別室登校の『あるある』を紹介します。
別室登校でよくあること
別室登校のお子さんや親御さんによく聞くあるあるとして
- 登校は遅くて下校は早い
- 教室は近いようで遠い
- 休み時間にトイレに行きづらい
- 保健室登校だと保健室利用の子に気を遣う
などということがあげられます。
登下校の時間がずれると近所の目が気になるし、送迎することがほとんどです
いわゆる『母子登校』ですね
登校時間が遅いと、まわりのめもきになるので、親御さんの送迎で、登校する子がほとんどです。
そして、お子さんにとっての悩みのあるあるで多いのが『遭遇』です。
学校内にいるとどうしても、普通登校の子たちと遭遇してしまうことが多くあります。
それが、教室復帰のきっかけになることもあります。
例えば、普通登校の子たちが気軽に声をかけてくれたり、楽しそうな様子を見て、教室に戻りたいという気持ちが強くなったりするからです。
しかし、声をかけられたり、楽しそうにしている姿を見るのが、ストレスや自己否定につながってしまう子もいます。
自分はうまく声をかけられない
自分はあんな風に友達と話せない
↓
自分はダメな人間だ
という志向に至ってしまうパターンがあるからです。
ですので、授業の時間にトイレに行ったり、あまり『別室』から出ないことが多いです。
別室登校でよかったことあるある
別室登校のメリットとして
- お子さんが孤立しない
- 引きこもりにならない
- 親子とも学校とのつながりができやすい
- 規則正しい生活が送れる
- 出席扱いになる
フリースクールや家庭学習などと違って、学校とのつながりを持ちやすかったり、出席の判定も得やすかったりするのがメリットですね。
チャイムがあるので学校の雰囲気ににもなれるし、集団での掃除なども教室復帰しやすくなるポイントです。
不登校の場合、中学生になると、出席日数や内申点などが気になります。
別室登校だと、高校進学を視野に入れた学校との連携が大切になるので、別室登校だとしても学校の様子がわかるのは親御さんにとってメリットになりますよね。
別室登校のデメリットあるある
逆に、別室登校というのはデメリットもあります。
- 不当登校の友達の目が気になる
- 学習面では遅れが出ることも
- 別室登校に慣れすぎてしまう
- 特別扱いされていることに罪悪感を感じる
繰り返しになりますが、勉強やテストはしますが、自習と同じ感覚です。
登校の目的が、教室復帰のサポートというのがメインになるので、どうしてもカウンセリングや環境面に時間を割くことになります。
だから、勉強は提出物や課題でできればよいくらいの考え方になってしまいます。
最近では個別方式の塾に通って学習面を補うお子さんも増えています。
また、普通登校の子と会ってしまうことで、「自分はあんなふうに教室で友達と勉強やコミュニケーションができない」と罪悪感を感じることもあります。
逆に、別室登校でも登校していることに満足してしまうというのも、あるあるです。
別室登校は不登校からの教室復帰はできない?
別室登校は教室復帰への第一歩とよく言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
この章では、別室登校から教室復帰できないパターンや、教室復帰にはどうすることが良いのかを紹介します。
また、本当に教室復帰が必要なのかについても紹介していきます。
別室登校は教室復帰の第一歩?
よく言われていることですが、不登校にならないために、不登校から復活するために、別室登校が推奨されます。
もちろん別室登校は家にいるよりは希望があるし、親御さんとしては安心のことでしょう。
しかし、本当に別室登校をしていたら、必ず教室復帰や普通登校につながるのでしょうか?
規則正しい生活はできるし、ほかのことの交流もあるし、実際教室復帰には有効なんじゃないの?
前の章でも少し触れたのですが、登校していることに満足してしまう場合もあります。
親御さんにとっては、普通登校や教室復帰が目標であるのに対し、お子さんは頑張って登校したことがゴールになってしまうのです。
確かに、お子さんは頑張って努力して学校に通うとこまでたどり着けたのです。
しかし、親御さんの立場に立つと、『一つのチェックポイント』に来たという安心感にすぎません。
この親囲んでの気持ちの差を理解してくださいね。
実はここかなり重要です。
確かに、私たちはじゃあ次のステップに進もうと思うわ
ここで、親子の気持ちに相違が生じてしまいます。
教室復帰を目指すなら、大切なのは
- お子さんの努力や頑張りを認めてあげる
- 教室復帰を無理強いしない
- できていることをほめてあげる
甘やかしなんじゃないか?などと不安を持つ親御さんも多いでしょう。
しかし、お子さんの最終目標は『教室復帰ではない』と言うことをしっかり認識しておきましょう。
教室復帰したくないわけではないですが、学校に登校するだけでも親が思うより大変な努力をしているのです。
学校を楽しむことができるようサポートすることが大切です。
不登校から別室登校になっても、うまくいかなくて逆戻りということもないわけではありません。
そのくらい回復期の対応は難しいことなのです。
そんな回復期の不安を取り除けるような記事をご紹介します。
この記事では、回復期の不安や乗り越え方が解説されています。
逆戻りしても大丈夫?不登校からの回復期を乗り越えるために気を付けること
別室登校では教室復帰は難しい?
では、別室登校からの教室復帰は難しいのか?
決してすべてが難しいわけではありません。
例えば、
苦手な同級生がいて、何かにつけてからかわれていたせいで教室に行くことができなくなった。
先生の提案で保健室登校をして、支援員に話を聞いてもらうことができるようになった。
何度か保健室で仲の良かった友達と給食を食べたり、別室登校でほかの生徒と授業をした。
そこで、『からかわれていたのは自分が悪いわけではなかった』と思うようになる。
先生と話し合った末、苦手な同級生とクラスを変えて、教室復帰を果たすことができた。
ということもあります。
実際、学校に登校していることで、
- 学校とお子さんにつながりがあった
- お子さんの話をしっかり聞くことができた
- お子さんの話を聞いて学校が環境を整えでくれた
ということができていたので、教室復帰をすることができました。
進級やクラス替えがあるならそのタイミングでの教室復帰も有効なタイミングです。
この話では、教室復帰をすることができたことでよい結果になっています。
しかし、ここで大事なのは、
『教室復帰だけが正解ではない』
ということです。
学習や進学、卒業後のことを考えたら、もちろん普通登校をしているのがベターではあります。
でも、お子さんによっては、大人の期待を配慮して教室復帰をした結果、生活に支障をきたしてしまうこともあるのです。
場合によっては、登校拒否や引きこもりになってしまう可能性もあります。
大切なのは、お子さんの気持ちの回復です。
前にも触れましたが、別室登校に満足して教室復帰できないお子さんも少なくありません。
もちろん、別室登校もお子さんの努力の結果です。
ただ僕が言いたいのは、別室登校の延長上に不登校解決がないケースも多いということ。
不登校の場合、別室登校などで登校できるようになってからの回復期が長い続くことも多いのです。
親御さんにとっては、先の長い話になってしまいますが、ここもお子さんのペースを大切にしていくことが大切なのです。
学習面においては、塾やタブレット学習、学校の先生たちとの連携など、利用できるツールはたくさんあります。
お子さんによっては別室登校や、適応指導室・フリースクールなどでの登校も、一つの道であるということです。
不登校や別室登校で心配な『勉強の遅れ』。
こちらの記事では、そんな勉強の遅れを取り戻す方法が紹介されています。
その不安が取り除かれるだけでも、気持ちに余裕ができますよ。
不登校の勉強の遅れを取り戻すことはできる?進め方がわからない状態でも追いつく方法!
別室登校の過ごし方 不登校からの教室復帰までのあるあるやルールを解説 まとめ
この記事では、別室登校の過ごし方や、保健室登校のルール、教室復帰について紹介しました。
別室登校に満足してしまうと教室復帰できない、なんてこともあります。
しかし、お子さんのペースでお子さんに合った方法を選んでいくことで、引きこもりや登校拒否を防ぐことも大切だということを忘れてはいけません。
この記事のまとめ
- 別室登校の過ごし方は主に対話・交流・相談など
- 遅い登校・早い下校は別室登校あるある
- 別室登校や保健室登校からの教室復帰は焦らない
- 別室登校からの教室復帰だけがすべてではない
学校に行くのがつらい、学校にトラウマを持っている、頑張りすぎて息切れを起こしている。
様々な理由で不登校になるお子さんがいます。
別室登校は、そう言ったお子さんが学校とつながる居場所であり、教室復帰のステップの一つでもあります。
お子さんが『教室に戻りたい』という気持ちを持った時、できることからお子さんのペースで初めて行けるように、親御さんも学校と連携していくには、別室登校も大切な時間だということです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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