不登校の理由が分からない!行けない理由は聞かない方がいい?原因のわからないときの対処法

こんにちは、とまとです。

今回は、不登校の理由が分からないことで、どのように対応すればいいのか悩んでいる親御さん向けに、
原因のわからない不登校への対処法について解説していきます。

お子さんが不登校になり、行けない理由を聞いてみても「分からない」と言ったり、
黙ったままで答えてくれなかったりすると

母親

不登校の理由を聞かないと、何をしてあげればいいのか分からないのに…
どうして話してくれないんだろう?

と悩んでしまいますよね。

不登校の原因が「親に言えないほど深刻なの?」と心配になってしまう方もいるでしょう。

確かに、原因が分かった方が適切な対応ができることもあるのでしょうが、
その反面、お子さんから話を聞き出す行為が不登校の解決を大幅に遅らせてしまう恐れがあります。


この記事では、

  • お子さんが不登校の理由が分からないと言う場合、理由を聞かない方がいいのか
  • 学校に不登校で行けない理由には、どんなものがあるのか
  • 原因のわからない不登校への対処法

について解説していきます。

この対処法は不登校から復帰した子どもの親御さんが、共通して行っているものです。

不登校の理由を聞かないままでも、親御さんがサポートできることはあります

そのサポートは不登校で苦しんでいるお子さんが1番必要としていることなので、ぜひ実践してくださいね。

             

目次

不登校の理由が分からない!

不登校の理由が分からない!

お子さんが不登校になったけれど、理由が分からないままで困っているという方もいるのではないでしょうか。

不登校の理由を聞かないことには、
親として子どもに何をしてあげられるのかも分からず、悩んでしまいますよね。

ここでは、不登校のお子さんが、なぜ学校に行けない理由を言えないのかを
2つのケースに分けて解説していきます。


学校へ行けない理由が自分でもわからない場合

お子さんが不登校になったら、親としてはショックを受けるでしょうし、
「学校で一体何があったの?」と思いますよね。

そして、いじめなどといった原因があるなら何とか問題を解決して、
復帰できるようにしてあげたいと思い、お子さんに不登校の理由を聞くのは自然なことでしょう。

しかし、お子さんに学校に行けない理由を聞いても、「よく分からない」と言われてしまったり、
だんまりで何も答えてくれなかったりする場合があります。


母親

原因のないまま不登校になる訳はないだろうに…
どうして理由を教えてくれないんだろう?

と理由が分からなければ対策のしようもなく、悩んでしまうかもしれませんが、
お子さんから明確な答えが返ってこなくても仕方ありません。

実は、不登校になったお子さん自身も、
学校へ行けない理由が自分でもわからない場合が多いのです。

たとえば、文部科学省の調査から不登校の要因を抜粋して見てみましょう。
文部科学省「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」

  • いじめ               … 0.2%
  • いじめを除く友人関係をめぐる問題  … 10.6%
  • 無気力・不安            … 46.9%

このように、いじめや対人関係などのはっきりとした原因がある訳ではなく、
無気力や不安により不登校になっている子どもが5割近くもいるのです。



さらに言えば、様々なストレスが積み重なった結果、ある日限界を迎えて不登校になるのですから、
自分でも原因がよく分からなかったり、上手く言語化できなかったりしても仕方ないでしょう。

理由は分かっているのに、言わない場合

お子さんが学校へ行けない理由が自分でもわからないというケースは多いですが、
中には不登校になった理由は何となく分かっているのに、周囲には話さない場合もあります。

母親

親にも理由を話してくれないなんて…
もしかして信用してもらえてないの?

と不安になるかもしれませんが、お子さんが話さないのには様々な理由があるものです。

  • 親に心配をかけたくない
  • 上手く理由を説明できる自信がない
  • 理由を話して、「何だ、そんなことか」と思われるのが不安
  • 理由を話したことで親が抗議に行くなど、大事にならないか不安
  • 理由を話したら、学校に行けない弱い自分を認めるようで嫌だ
  • 学校に行けなくなった出来事を思い出したくない



学校に行けない理由があるなら、言ってくれないと対処できないという親御さんの気持ちも分かりますが、
お子さんにも理由を話せない事情がありますので、無理に聞き出さないようにしましょう。

このように言うと、「じゃあ、不登校の理由って聞かない方がいいの?」と思う方もいるでしょうから、
次の章で詳しく解説していきます。

不登校の理由は聞かない方がいい?

不登校の理由は聞かない方がいい?

原因のわからない不登校や、行けない理由を話すことができないお子さんに対して、
不登校の理由は聞かない方がいいのでしょうか?

「ちょっとしたことでも言ってくれれば、何かしてあげられるかもしれないのに…」と
親御さんとしては、もどかしい思いをしているかもしれません。

結論を先に言ってしまうと、お子さんから理由を聞き出しても不登校の解決に至らず、
むしろ無理に聞き出そうとすることで、お子さんを追い詰める結果になりかねない恐れがあります。

ここでは、不登校の理由が分からないときに、お子さんから話を聞き出しても解決しないとはどういうことか、
そして、どうしても理由を聞きたいときの注意点について解説していきます。

不登校の理由を聞いても解決しない?

お子さんが不登校の理由を話そうとしない場合、親御さんとしては

母親

学校に行けない理由を言ってくれさえすれば、
何かしら対応を考えられるのに…!

と歯がゆい思いをしているかもしれません。

または、お子さんが「不登校の理由が分からない」と言っていても、
話すことで何かしら分かることもあるのではないかと考える方もいるでしょう。

お子さんを心配して、「原因が分かれば対処できるのに」と思う気持ちも分かるのですが、
実は、不登校の理由を聞き出したところで解決に至らないことの方が多いのです。

たとえば、最初に学校に行けなくなった理由は「部活動での人間関係」だったとしましょう。
それなら部活動をやめるか、いっそのこと転校してしまえば解決するのではないかと思いますよね?
しかし、一旦不登校になると今度は「勉強についていけない」「周囲の目が気になる」といった
新たな悩みが出てくるため、部活動をやめる、転校するなどの対応だけでは解決できなくなります。
また、「転校しても、また人間関係で上手くいかずに不登校になるかも」と自信を無くした状態では、
元々の「部活動での人間関係」という原因に対応したところで、不登校は解決できないのです。



さらに言えば、お子さんから何とか不登校の理由を聞き出せたとしても、
それが本当の理由ではない場合もあります。

母親

本当の理由じゃない!?
何でそんなことをしてしまうの?

と思うかもしれませんが、お子さんは別に親御さんに嘘を言おうとしてるわけではありません。

  • 何度も理由を聞かれて申し訳なくなり、いかにもそれらしい内容を考えて答えてしまう
  • 自分でも本当の理由が分かっていない
    例)「体育が嫌だから行かない」と言っているが、根本的な原因はからかわれること

このように、お子さんから学校に行けない理由を聞き出したところで、
根本的な原因は分からない場合も多いのです。

お子さんから不登校の理由を無理に聞き出しても、メリットがあまりない上、
お子さんを追い詰めてしまうリスクがあるので、不登校の理由は聞かない方がいいでしょう。


理由を聞きたいなら聞き方に注意!

それでもどうしても、本人から理由を聞いておきたいという親御さんもいると思いますので、
お子さんを追い詰めない聞き方をご紹介します。

まず初めに、お子さんを追い詰めてしまう聞き方とはどんなものでしょうか?

NG例
親  :なんで学校に行かないの?
子ども:…
親  :どうして黙ってるの?言ってくれないと分からないよ?
子ども:学校行くのがしんどい…
親  :なんでしんどいの?何かあったの?
子ども:分からないけど、しんどい

このように、「なんで?」「どうして?」という問いかけを何度もしてしまうと、
お子さんはまるで尋問を受けているような感覚に陥ってしまいます。

もちろん親御さんにそんなつもりはなく、何とかしてあげたい一心なのは分かるのですが、
「なんで?」と聞かれると自分の中から答えを探すことになるため、責められていると感じてしまうのです。

とまと

不登校の状態だと、子どもは「自分が悪い」と考える傾向があります
自分が悪いと思っていて、その上責められていると感じたら、
大人でも口が重くなってしまいますよね



では、どんな風に不登校の理由を聞くといいのでしょうか。

OK例
親  :何が嫌で学校に行きたくないの?
子ども:うーん…
親  :友達と何かあったとか、勉強が嫌だとか
子ども:友達とは普通。でもクラスに行くとしんどい…
親  :クラスかぁ。クラスにいるときは何が辛いの?
子ども:えーっとね、…

このように、「何が嫌?」「何が辛い?」という聞き方に変えることで、
自分ではなく周囲の物事に視点が向くため、お子さんが答えやすくなりますよ。

先ほども言った通り、本人も根本的な原因が分かっていない場合もあるので、鵜吞みにはできませんが、
「友人関係は問題なさそう」など、今後の対応へのヒントを得られる可能性もあります。

どうしても学校に行けない理由を聞きたい場合は、
「なんで?」ではなく「何が~?」という聞き方を試してみてください。

とまと

お子さんがどうしても話したくない場合や
まだ話せるタイミングではないこともあります
お子さんが嫌がるなら、話せるようになるまで待ってあげてくださいね



学校に不登校で行けない理由は?

学校に不登校で行けない理由は?

お子さん自身も不登校の理由が分からない場合でも、
何の原因もないまま不登校になっている訳ではありません。

しかし、本人にも理由が分からない、もしくは話せないのならと
本人に不登校の理由を聞かないようにしたとしても、親としては不登校の原因が気になりますよね。

そこで、以下によくある学校に不登校で行けない理由についてまとめたので、参考にしてみてください。

家庭に関する原因

  • 親と離れることへの不安
  • 家庭環境の変化や家庭内不和
  • 家庭の経済状況

家庭に関する原因は、特に小学校低学年で多く見られます。
また、不登校の主な原因ではなくとも、お子さんが家庭でリラックスできない状態の場合、
学校などで受けたストレスを家庭で解消できずに不登校の一因になる可能性もあるでしょう。


学校に関する原因

  • いじめを含む友人関係
  • 教師との関係
  • 勉強についていけない

小学校高学年~中学生になってくると、勉強が難しくなり、クラブや部活動などで
人間関係が増えるため学校に関する原因が増えてきます。
いじめが原因で不登校になることもありますが、それよりはちょっとした諍いや
進級などによる友人関係の変化が原因となる場合が多いです。

心身に関する原因

  • 病気や体質
  • 発達障害
  • 無気力や不安
  • 生活リズムの乱れ

不登校の原因が病気や低血圧などの体質、発達障害である可能性もゼロではありませんので、
不安な場合は病院で診察を受けましょう。

また、高校生になると進路を決定しなければならないこともあり、将来に不安を感じたり、
なりたい自分と現実との差を感じて無気力になったりすることがあります。



家庭に関する原因があるなら、何とかしたいと思った方は以下の記事を参考にしてみてください。

不登校になりやすい家庭や親の特徴について解説していますが、当てはまったからダメだということではなく、
あくまでもそういった傾向があるという参考として見るといいでしょう。

▼ こちらもチェック ▼

不登校になりやすい家庭の特徴 不登校になる子、ならない子の違いとは?
 ー 不登校になりやすい家庭環境や対処法について解説しています。



上記では簡単にまとめていますが、ここまで読んでみて、

母親

こうやってよくある原因を見ても、
うちの子が何で学校に行けないのかはよく分からないなぁ…
結局、親は何をしてあげるのが正解なの?

と思う方もいるでしょう。

確かに、お子さん1人1人の性格や背景があり、
複数の原因が複雑に絡み合っているため、不登校の理由を明確にすることは難しいかもしれません。

しかし、不登校の理由が分からないままでも、お子さんをサポートすることは可能です。

原因のわからない不登校への対処法の詳しい内容については、
この後詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。

原因のわからない不登校への対処法

原因のわからない不登校への対処法

お子さんが不登校になったとき、行けない理由は分からない場合も多く、
親御さんはどうしてあげればいいのか悩んでしまいますよね。

お子さんを追い詰めてしまわないようにと、不登校の理由を聞かないことに決めたとしても、
何かしらのサポートをしてあげたいのが親心だと思います。

ここでは、原因のわからない不登校への対処法について、親御さんができる2つのサポートをご紹介します。

安心できる居場所を作る

お子さんが不登校になったとき、原因がわからなくてもできることがあります。

それは、お子さんが安心できる居場所を作ることです。

不登校になる原因は様々ですが、共通しているのはお子さんがエネルギー不足に陥っていることでしょう。

エネルギー不足の状態に陥ると、学校に行くことはもちろん、
勉強する気力も湧きませんし、誰かと交流することもしんどくなってしまうのです。

とまと

子どもが部屋に籠ってゲームばかりしていると
不安になるかもしれませんが、
何をするにもエネルギーが足りない状態なんですね



そのため、不登校のお子さんには、家庭でエネルギーを蓄える必要があるのですが、
お子さんにとって家庭が安心して休める環境でないと、回復に時間がかかってしまいます。

  • 不登校を悪いこととして扱わない
  • 他愛無い会話を大事にする
  • 親御さん自身がストレスを溜めこまないようにする

こういったことを気をつけることで、お子さんのストレスを減らし、
お子さんの心身の回復を早めることができますよ。

子どもの気持ちを尊重する

先ほどの「安心できる居場所を作る」ことにも繋がるのですが、
お子さんの気持ちを尊重してあげることが大事です。

たとえば、お子さんが「学校に行きたくない」と言ってきたときに

母親

他の子は嫌なことがあっても学校に行ってるのよ
○○もちゃんと行かなきゃ!

というように、まず先に親御さんの考えを伝えてしまってはいませんか?

親御さんはお子さんのためを思って言っているのは分かるのですが、
このように言われると、お子さんは「自分のことを分かってもらえない」と心を閉ざしてしまいます。


まずは「学校に行くのが嫌だ」というお子さんの気持ちを尊重してあげてください。

お子さんの気持ちを否定せず、共感することを意識して話すと
お子さんも「自分のことを受け入れてもらえている」と安心することができますよ。


不登校で行けない理由は聞かない方がいい?原因のないときの対処法 まとめ

不登校で行けない理由は聞かない方がいい?原因のないときの対処法 まとめ

この記事では、不登校の理由が分からないと困っている親御さん向けに、
なぜお子さん本人にも理由が分からないのか、どのように対処すべきかを解説してきました。

お子さんから学校に不登校で行けない理由を聞き出して、早く解決したい気持ちも分かりますが、
原因を追究することが、お子さんにとってストレスになる可能性もあるので気をつけましょう。

この記事のまとめ
  • お子さん自身にも不登校の理由が分からないケースは多い
  • 基本的に不登校の理由は聞かない方がいいが、聞きたいときには「なんで?」と聞かないようにする
  • 学校に不登校で行けない理由には、無気力や不安といった抽象的な原因も少なくない
  • 原因のわからない不登校では、お子さんが安心できる居場所を作ることが大事

不登校の理由を聞かないことには、ちゃんと対策してあげられないと思うかもしれませんが、
原因のわからない不登校でも親御さんがサポートできることはあります。

ですから、不登校の理由を聞き出すよりも、お子さんが早く回復できるように
お子さんの気持ちに寄り添うことを大事にしましょう。


もっと不登校のお子さんの心理を知りたいという方は、以下の記事を参考にしてみてください。

学年別の不登校の原因や不登校になったお子さんの心理について解説しています。

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不登校の理由が分からない? よくある原因ランキングとお子さんの心理を解説
 ー 不登校の原因ランキングや原因が分からないときの対処法について解説しています。



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