子どもが中学で不登校、その後の人生どうなるか…
不登校で子どもは高校にも進学しないと言ってるけどどうしよう…
こんにちは、とまとです。
中学校の不登校のお子さんに対して、このようなお悩みはありませんか?
不登校でこの子の今後も心配だし、もし高校にも進学しなかったらどうしたらいいんだろう…。
確かに子どもがずっと家で引きこもって学校に行けないと、人生どうなるんだろうとなりますよね。その後、高校にも進学しないとますます不安ですよね。
ですが、不安に駆られて、復帰を急かしたり、無理やり学校へ登校させるのは逆効果です。
そこで、これまでに不登校から復帰した中学生がその後どのようなルートを辿ったのか、親としてどのように対応したらいいのか適切な対応を一緒に見ていきましょう。
不登校のその後のデータ
中学校で不登校になった場合、まずその後高校に進学したのか、それとも仕事をはじめたのか、気になりますよね。
この章では、元不登校の約4万1000人を対象とした文部科学省のデータを基に、不登校の中学生がその後どうなったか確認していきます。
中学卒業後すぐに進学か仕事か
平成18(2006)年に中学3年生かつ不登校で、その後20歳となった平成23(2011)年から翌年にかけてどんな過ごし方をしていたかというデータがあります。
こちらの表は元不登校の約4万1000人を対象としたデータですが、「進学(のみ)」と「進学+仕事」を合わせて何らかの形で「進学」していたという回答者は、85.1 %、
「仕事(のみ)」と「進学+仕事」を合わせて何らかの形で「仕事」していた比率は、10.2 %でした。
2006年時点=中学卒業時点での高校進学率は97.7%ですので、不登校から「進学」していた85.1 %を比べると高校への進学率はやや低い傾向にあります。
ただ、進学も仕事もせずは8%のみなのね
不登校から現在の就業・就学状況
20歳時点での就業・就学状況については、グラフの通り、回答者の 54.9%が何らかの仕事についており、 48.1%が学校に通っています。
詳細は以下のグラフの通り、「就業者」が 526 人(仕事/34.5 %)と最も多く、次に「就学者」が 424 人(進学/27.8%)、
「就業・就学者」が 298 人(仕事+進学/19.6%)、 「非就業・非就学者」が 276 人(仕事進学せず/18.1%)です。
不登校から働いた場合の、仕事の形態に関しては、非正規(パート・アルバイト)の比率が33.2%と高くなっています。(正社員は 8.8%)
全体でみるとパート・アルバイト等の非正規雇用が少し高めの傾向なんだね。
参考の目安として、2010 年国勢調査によれば、対象となる年齢は異なりますが、20~24 歳の年齢層全体における 「パート・アルバイト・その他」就業者の比率は 24.0%(正規職員の比率は 39.2%)となっています。
ですので、不登校から就職した場合、パート・アルバイト等の非正規雇用が少し高めの傾向と言えます。
不登校に対する後悔
不登校をして、その後皆さんどう捉えているかも気になるところですよね。
後悔しているかどうかを聞いた調査もありますので、その結果をご覧ください。
パッと見る限り「行けばよかった」と「仕方がなかった」の割合が多いのね~。
不登校であったことに対して、「行けばよかった」という後悔の念を持っている者が最も多く 37.8%となっています。
次いで、「しかたがなかった」と回答している者が 30.8%です。
これに 対して、「行かなくてよかった」とする不登校への肯定的な回答は 11.4%、「何とも思わない」 は 17.0%でした。
不登校に対して、「行けばよかった」と捉えている人は全体の4割にものぼります。
理由としては、学力や社会性の不足、行事など学校の思い出が作れなかったことが挙げられます。
中学から不登校だと人生どうなるか(メリット)
中学校から不登校だと世間でよく言われるほど悪影響なのか、本当にマイナスだけなのでしょうか?
この章では、不登校をしていてもメリットになった部分を中心に見ていきましょう。
不登校後、自分に合った学校・仕事に出会えた人は60%以上
題名にもある通り、不登校を経験した後、自分に合った学校や仕事に出会えた人は60%以上もいます。
なかなか自分に合った仕事だ!と確信もってる人は少ない中で、この割合はかなり高くないか?
中学校3年生時の「自分の将来の夢・希望の有無」については、「あった」が22.6%、「ぼんやりと あった」は34.4%で、両者を合わせると 57.0%程です。
では、中学校卒業後の実際の進路と、希望した進路に相違はあったかはどうでしょう?
調査によると、男女間で回答に大きな差はなく、以下の通りです。
統計を見ると、「希望通りだった」は45.8%、「希望とは少し違っていた」が30.9%、「希望とはかなり違っていた」が9.8%、「希望とは全く違っていた」が13.5%でした。
約45%が希望通りの進路に進めているのは高い方ですよね。
このデータを見てると不登校だからといって、一概に落ち込む必要はない気がしてきたわ。
また、その中でも進学者の約70%が「自分の力や性格に合った学校にめぐり会えた」と回答、仕事では62%が「自分の力や性格に合った仕事にめぐり会えた」と回答しています。
不登校経験後のプラス面
不登校に関して、経験者はどのように捉えているか気になりますよね。
不登校で後悔していたり、マイナスになったと感じる人が実際に大半なのでしょうか。
実際に不登校を経験した声の中には、このようなプラスの声が多くあります。
不登校によるプラスの声
- 「不登校を乗り越えることができたからこそ、今の自分がある」
- 「不登校は、自分の体調を戻すために必要な準備期間だった」
- 「自分自身のことなど、学校に行かなかったからこそ見えてきたものがある」
調査結果から不登校が必ずしも、その後の人生にマイナスに働くわけではないことを表しています。
長期的に考えると、不登校の期間が人生の大半を占めるわけではないですよね。
毎日学校とかやるべきことに追われてるだけより振り返る時間をとれるのがプラスよね。
実際に私の知人も中学時代に半年以上の不登校を経験。その後無事卒業、進学し、現在は結婚して平穏に暮らしており、友人とも当時の話を笑って話せるくらいに消化しています。
不登校枠の高校受験がある?
公立高校の一般入試では、長期欠席者の場合、欠席の理由により、それに配慮された制度があります。
中学校から進学する際に、入学願書と内申書に加え、『長期欠席者等にかかる選抜申請書』と、志望動機等を記入する自己申告書を提出します。
公立高校が対象で、私立高校は学校によるのですが、不登校でも入試までに勉強をかなりして、点数を取れる方にはかなりメリットのある受験方法になります。
不登校から進学したい中学生の子どもに勧めてみようかな。
もちろん倍率も高くなるのですが、本人が希望しているかつ学力で戦える場合、有利です。
また、補足ではありますが、進学したい場合、他のブログの記事では家族と相談して復学させる、または海外留学させるというものがあります。
それに関しては反対で、不登校である「自分を変えたい」「将来を明るくしたい」という方をフィジーへの留学に繋げるというのは、お子さんの環境への適応を考えるとあまりにも無理がありますよね。
まず不登校からどのように進学に繋げたら現実的に攻略しやすいかという所をこのブログ等を通して、一緒に考えていただきたいと思います。
不登校で高校に進学しないで引きこもりになったら?(デメリット)
不登校から復帰できずに心配なのが、長期間の引きこもりですよね。
一回学校に行かなくなると、次学校に行くことに対して、どんどんハードルが高くなってしまいそうですよね。
不登校から引きこもりになった統計
初めてひきこもりの状態になった年齢は、平成30(2018)年度において、全年齢層に大きな偏りなく分布しています。
以下の平成27年度調査の結果では、15歳から24歳までの者の割合が6割を超えていたので、平成30(2018)年度の分布と比べて引きこもりの年齢層の分布に変化が見られます。
あ、確かに15歳~19歳の30.6%と、20歳~24歳の34.7%を足すと6割超えだな。
[平成27年度調査(対象:15~39歳)の結果]
ひきこもりの状態になったきっかけも、「不登校」と「職場になじめなかった」が最も多かった平成27年度調査の結果とは異なります。
平成30(2018)年度は多い順に、「退職したこと」、「人間関係がうまくいかなかったこと」、「病気」、「職場になじめなかったこと」になっています。
以下の平成27年度調査の結果では、引きこもりのきっかけの1位に「不登校」と「職場になじめなかった」がきていますよね。
[平成27年度調査(対象:15~39歳)の結果]
不登校から引きこもりになったのは平成30年度の調査では4人ですね。1位の「退職したこと」と4倍程差があります。
不登校でマイナスに感じたこと
不登校だとやはり学校に行く機会が少ないので、学生らしい生活が送れないということで後悔する面があります。
全日制高校では制服を着て学校に通うことが多いですが、そのような通学の思い出や文化祭・体育祭といった行事、部活動での思い出がないということで、後々学生時代の話題としてついていきにくい部分はあります。
中学生の頃、文化祭で何の出店した?体育祭何の種目に出た?の会話にはついていけないなぁ…
また、学習に関しては、高校受験に備えて学校外の勉強をしておくべきだったという後悔があります。
不登校の間にもっと勉強しておけば…
それに関しては、出席日数を稼ぐ為に、適応指導教室等に通って準備する選択肢もあります。
他には、昼夜逆転・ゲーム三昧で周りの視線が気になり、外に出られないという状況を続けた結果、立っている状態を継続するのすら体力的にしんどくなったという声もあります。
日中に学校に行けないなりにも何か趣味をつくる、自分の好きなことを習うなど、他人の視線を恐れ過ぎずに行動すればよかったという後悔があります。
では実際に不登校が人生に不利に働いたことはあるのでしょうか?
もしあるならどのようなことが不利になるのか知って未然に防ぎたいですよね。
不登校によって人生に不利に働いたこと
不登校によって不利に働いたこととして挙げられるのが、人生経験の少なさです。
人生経験の少なさでは、大きくわけて人間関係の面での経験不足と、勉強面での経験不足面が挙げられます。
きっと人間関係では、中学校では誰もが経験する暗黙のスクールカースト、コミュニケーションを取る時の微妙なニュアンス・ノリがあるよね。
このような体験が後の社会人基礎力になることがあります。
喧嘩があった時の対処法、意見が合わない人がグループにいる時の立ちまわり方もわからないなぁ。
これらは仮に知識として後から習得しても、実際にその場で経験していなければ、なかなか身につくものではありませんよね。
この点は、不登校からいざアルバイトを始めたり、社会人として仕事を始めたときに、経験がないと戸惑ってしまう部分にはなります。
ただ、正直なところ、これらは学校に登校していたら自動的に全て身につくわけではありません。
通学していても自分から関わりに行かないと得られないですし、不登校の場合でも人間関係・学力は他の場所で補うことは十分可能です。
なので、経験を積むことに重きを置いて、人生に不利に働かないようにしたいからといって、何も通学にこだわる必要はないかと思います。
その後の人生・将来を立ち直らせるためには
いま現在不登校だけれど、その後の人生を立ち直らせて将来に繋げるためにはどうしたらいいのでしょうか。
この章で本人と親御さんができることを確認して、どう動くかの指針にしてください。
本人ができること
自分が将来的にしたい目標に合わせて、早いうちにどのような選択肢を取れば達成できるのか知ることが大切です。
その前段階として、以下2点を徹底しましょう。
不登校である自分を否定しない
学校に行けないからといって、自分で自分に対してできないレッテルを貼って、責めることをしないようにしましょう。
こんな風に責めるのはNG
- なんで自分はみんなができることが普通にできないんだろう
- 他の人が授業を受けている時間に何もせず家にいて本当にダメだな
- 本来できて当然なのになんで自分だけ
どんなに責めてもどんなに原因追求しても、いまは行けないのだからそれでいいんです。
行けるようになったら行ったらいいし、行けないのならゆっくり休む時間にしましょう。
保護者の方が読んでくださっているなら、例えばこんな状態と似ているかと思います。
「仕事で担当の業務もたくさん抱えていて、職場の人数もタイトな中で、自分は急な体調不良でしばらく出勤不可で療養が必要と診断される。
残してきた仕事もあるし、引継ぎも不安、やることは沢山あって時間はないのに出勤しないと消化されずどんどん追い込まれていく。」
この場合、どれだけ焦っても自分はダメだと悩んでも、残念ながら状況は変わらないし、かえって治らないということにも繋がりますよね。
ですので、不登校の期間は自分を追い詰めず、好きなゲームをする・本を読む等、ゆっくり休んでほしいと思います。
無理やり早く学校に行こうとしない
不登校をしていると状況によっては周りの先生や親族から、登校を急かされることもあるかもしれません。
その場合、無理に周りの期待に応える必要はありません。
家族にも迷惑をかけている気がして早く元気に登校しないと、と思う気持ちもありますよね。
ですが、本当に自分の意思として学校に行きたいと思っていない状態で学校に行くと、さらにしんどくなってしまいます。
母:学校行かないのー?
本人:まだちょっと行けないから、そっとしておいてほしいな。
母:いつなら行けるの?
本人:自分でもわからない。行けるようになったら言うからそれまで見守ってほしい。
このように行けないということを伝えてみてください。
焦って学校に行くことで、回復にもっと多くの時間がかかってしまっては、最終的に遠回りになってしまう可能性が高いですし、自分のペースを大切にしてください。
ゆっくりでも行けたらいいですし、行けなくても大丈夫です。無理をする必要はありません。
不登校から引きこもりにならない為に親ができること
ここまでいろいろなデータが続いて難しかった方もいることでしょう。
ただ、親御さんが行えば不登校改善に繋がってくることもありますので、以下の2点を心がけましょう。
- 登校への復帰を焦らせない
- 学校と家族以外に所属できるコミュニティをつくる
登校への復帰を焦らせない
本人ができることの項目でも、無理に学校に行こうとしないというものがありました。
親として子どもの将来を心配して、少しでも早く学校に復帰して勉強に追いついてほしいという気持ちもわかります。
ただ、やはり本人の意向を無視して、学校への復帰を焦らすのは効果的とはいえません。
不登校のお子さん自身、学校に行かなければいけないということは痛いほどわかっていますし、例え何も考えていないように見えても、心のどこかで常に心配事として抱えています。
声掛けとして、学校に行ける?といった内容を話すのではなく、学校とは関係なくお子さんの見ている動画の話をしたり、買い物中にあった出来事の話からコミュニケーションを取ってみてください。
× 学校行けるの?いつから?
〇 なんの動画見てるの?楽しそう、お母さんも見てみようかな!
学校の話を全くしてはいけないという話ではなく、するのなら見返りを求めず、特に良い返事が返ってくる期待をせずに話す分には大丈夫です。
毎回お伺いを立てられると、不登校の子どもからしたら非常にプレッシャーになるので控えましょう。
学校と家族以外に所属できるコミュニティをつくる
話をできる先が学校の先生と家族のみだと、そこに所属する人の意見が絶対で、他はないように思えてきませんか?
ですが、案外自分が知らないだけで、そことは異なる価値観もたくさん存在します。
学校と家庭だけに偏ってしまうと、考えや視野が狭まってしまいます。
できるだけそれ以外の所属をつくり、依存先を分散させましょう。
コミュニティの例
- 適応指導教室(教育支援センター)
- フリースクール
- 学習塾・家庭教師
- 習い事
- 趣味サークル
- スポーツクラブ
- ボランティア団体
- ネット(SNS、オンラインゲーム)
学校以外の居場所を持つことで、学校に行かなくても、何か些細な事を相談できる先があるという安心感を持つこともできます。
自分に合ったコミュニティを見つけて息抜きできるようにしましょう。
例えば、趣味サークルから仲良くなり、不登校の悩みを相談できるように発展するということも考えられます。
登校しなくても勉強できる方法を確立させる
これまでのデータを見てきて、不登校に関して後悔していることで多かったのは、学力の不足や、学校行事等の参加ができず社会性を身に着けにくいでした。
この中で、不登校でも努力次第でカバーできるのが学力の部分です。
学校に行かずとも中学校までの範囲なら、十分巻き返しが可能です。
動画学習や個別指導等、自分に合った学習法を見つけて学力の部分の差をできるだけ埋めておくと、行きたい学校や、やりたいことが見つかったときに有利に働きます。
不登校の勉強法については、これまでに他の記事の方で特に詳しく紹介しているのでこちらをご覧ください。
中学で不登校 進学しないでその後の人生どうなる? まとめ
ここまで子どもが中学で不登校、その後の人生どうなるかという疑問について書いてきました。
不登校で子どもが高校にも進学しないかもしれないという不安はあると思います。
ですが、データでも見てきたように不登校だから希望の自分に合った仕事につけないということはありませんでしたし、必ず引きこもりになる訳でもありません。
この記事のまとめ
- 不登校からその後の「進学」は全体の85.1 %いる。
- 中学卒業後、約45%が希望通りの進路に進めている。
- 進学者の約70%・仕事では62%が「自分の力や性格に合った先にめぐり会えた」
- 不登校でも勉強できる方法を確立させることが大切。
不登校から高校も進学しないで人生どうなるかと、その後の復帰にただ焦るのではなく、このブログで「いま何ができるのか」を引き続き一緒に考えていきましょう。
褒める、見守る、自信をつけるなどの小手先のノウハウから抜け出し、
親子ともに本音を言い合えるようになる
↓
お子さんの不登校が改善する
という流れが一撃で理解できるようになります。
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